人工内耳Q&A

手術・治療について 


Q. 人工内耳の手術は何歳から何歳まで手術できるのですか?

A.

小児は原則1歳以上(体重8kg)以上です。

成人は年齢制限はありません。手術病院にて全身麻酔を使用する手術に体が耐えられるか検査を行い、医師が可能か判断します。

詳細は日本耳鼻咽喉科学会HPよりご確認頂けます。

http://www.jibika.or.jp/members/iinkaikara/artificial_inner_ear2018.html

 

Q. 手術の費用はどのくらいかかりますか

A.

医療費のご負担割合によりますが、ご負担が大きいようであれば、更生医療・育成医療・高額医療費申請など行うことで患者様の経済的ご負担は大きくはありません。

Q. 手術は片耳ですか両耳するのですか

A.

以前は片耳手術が主体でしたが、日本耳鼻咽喉科学会の適応基準(2017)には「補聴の基本は両耳聴であり、 両耳聴の実現のために人工内耳の両耳装用が有用な場合にはこれを否定しない。」とあります。患者様のご希望があれば、医療機関とご相談の上、片耳か両耳に手術をするか検討し決定します。患者様の聴力や補聴器の効果、ニーズにもよるので医療機関としっかり相談することをお勧めします。

Q. 膝の手術を予定しています。

  手術にあたり人工内耳装者に対して使用する医療機器で留意すべき点は何でしょうか

  A.

(医療関係者より)

  人工内耳装用者の入院中・周術期の注意点について

 1, MRI撮影の可否

MRI撮影が可能な機種もあります。

必ず人工内耳の主治医に連絡のうえ撮影可否の確認を受けて下さい。

但し、緊急MRI撮影により救命の可能性が高まる病態であれば機種に関わらず、体外器を外してMRI撮影して下さい。(これは家族にも知らせておきましょう)

人工内耳が壊れても患者は死にません。人工内耳は入替え可能ですが命の代わりはありません。この場合画像上、体内器周辺に直径6~8cmのアーチファクト(画像不良)が載りますので装用側の側頭葉病変は判別できない可能性があります。

  

  2、電気メスの可否

a、モノポーラは、鎖骨より下は使用可能です。その際可能ならば対極板は手術野より尾側に貼ってください。

b、バイポーラは体内器より2㎝以上離れていれば通常通り使えます。

c、リガシュア(止血用電気メス)はバイポーラと同じです。

d、ハーモニック(超音波振動を利用したメス)は制限なく使えます。

 

  3、緊急除細動、自動体外式除細動器(AED)

 耳鼻科に問合わせることなく使用してください。機種を調べる必要はありません。

 

  4CTPET(がんを検査する装置)

   制限なく使用できます。

 

  5、手術時の人工内耳について

    手術室まで人工内耳を装着して麻酔後はずし、麻酔覚醒時再装着する場合は病院スタッフにプロセッサーのスイッチのON-OFFなど簡単な操作を教えてください。

    体外器は病室に置いて手術室まで持ち込まない場合もあります。また、術後に浮腫みがありマグネット装着が弱くなることがあります。STにご相談ください。

 

 

以上、人工内耳の知識としてご理解ください

 

もっとも重要なことは手術予定が決まれば早めに人工内耳の主治医と手術担当医が直接

 連絡を取り合うよう依頼・手配することが大切です。

Q. 電気治療(干渉波治療器)はできますか

A.

体外器を外せば、問題ありません

Q. 睡眠時無呼吸症候群のCPAP療法について注意点があれば教えてください

A.

レスメド社製CPAPで人工内耳等の磁気の影響で禁忌・禁止の案内があります

該当の方は主治医と相談の上対応していただくようお願いします

 

(資料添付しております)

1.レスメド社製「マグネット付きマスク」安全通知(帝人ヘルスケアー株)

2.人工呼吸器用マスクAirFitF20NVマスク(レスメド株)

3.人工呼吸器用マスクAirFitF30マスク(レスメド株)

 

ダウンロード
レスメド社製「マグネット付きマスク」安全通知.pdf
PDFファイル 286.6 KB
ダウンロード
人工呼吸器用マスクAirFitF20NV.pdf
PDFファイル 409.7 KB
ダウンロード
人工呼吸器用マスクAirFItF30.pdf
PDFファイル 368.0 KB

日常生活について


Q. スポーツ制限はありますか

A.

基本的にスポーツ制限はありません。

頭部を激しく殴打するものは、体内のインプラントの破損のリスクは高くなります。危険を伴うものは防具などをつけて(例:剣道)行うことが多いため必ず行えないというわけではありません。かかりつけの医療機関にご相談下さい。

スキューバーダイビングなどは水圧によりインプラントに影響が出る可能性がありますのでメーカーや機種によりますが25mを超える場合はメーカーにご確認ください。

Q. 人工内耳をつけたまま水泳はできますか

A.

体外器を外せば水泳や入浴は何も問題はありません。

体外器に防水アクセサリーがある場合は使用方法を守り防水アクセサリーを使うと体外器を装用したまま水泳や入浴も可能です。

Q. 美容室でパーマやカラーは可能ですか

A.

体外器を外せば、問題ありません

緊急通報システムについて


警察(110番)、消防・救急(119番)へスマホからメール通報ができます。

警察庁で「110番アプリ」が運用され、総務省消防庁では「NET119緊急通報システム」の整備が進められています。

いざという時に備え加入申請をしておきましょう。(無料)

もっと詳しく知りたい方は警視庁「110番アプリ」、総務省消防庁及び福岡市消防局の「NET119緊急通報システム」をご覧ください。

 

(添付資料)

1,「110番アプリの使い方」(スマホ版)

2,「聴覚障害や音声障害により音声による119番通報が困難な方」

(NET119,FAX119による緊急通報)

=九州大学病院 耳鼻咽喉科にて作成=

ダウンロード
110番アプリ.pdf
PDFファイル 5.3 MB
ダウンロード
聴覚障害や音声障害により音声による119番通報が困難な方.pdf
PDFファイル 697.3 KB


Q&Aは順次追加予定です

ご質問は「お問い合わせ」よりどうぞ

 

 

人工内耳の会ACITA本部のホームページも参考にしてください

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